【完結】国宝級イケメンの華道家は、最愛妻への情愛が抑えられない。
◇新婚生活
朝、温かい朝の空気を感じ目が覚める。ふと時計を見ると、もう九時だった。いつもより一時間以上遅い朝だ。
「あ、百合ちゃん。おはよう、起こしちゃった?」
「いえ、そんなことはないです。起きるの遅くてすみません」
郁斗さんは、もう服を着ていて朝から出来上がっていた。だから私も起き上がろうとすると、少し身体がだるさを感じる。
「百合ちゃん、体は大丈夫?」
「は、はい……少しだるいですけど、大丈夫です」
彼と目線を合わせるのが恥ずかしくて目を逸らす。昨夜のことを思い出してしまいそうで、顔が熱くなってしまう。
「モーニングはルームサービスを頼んでいるんだけど、いつがいいかな?」
「私はいつでも大丈夫です。あ、着替えはしたいです」
「じゃあ、十時くらいがいいかな。俺頼むから、百合ちゃんは着替えておいで」