【完結】国宝級イケメンの華道家は、最愛妻への情愛が抑えられない。
「百合ちゃん、ルームサービスは頼んだからそれまでゆっくりしよう」
そう言って郁斗さんがテレビの電源をつけると、そこに映っていたのはまさかの私たちで昨日の会見と共に私たちの紹介がされている。
こんなに詳しくやらなくても……と思うが、有名な郁斗さんが結婚だもの特集するよね。相手が私でみんながっかりしてないといいんだけど。
「どこもかしこも俺たちだね、今日は日曜日だから覚悟はしていたけど」
「そうですね。郁斗さんは華道家として有名ですしテレビは映しますよ。かっこいいから」
「あはは、ありがとう。メディアにあまり出ていない百合ちゃんも結構映されてるよ。あの映像、百合ちゃんかわいいな」
そんな話をしていると、部屋のインターホンが鳴り朝食が運ばれてきた。
テーブルには、あっという間に朝食が並ぶ。小皿には新鮮なサラダと大きなお皿にはソーセージ、エッグベネディクトが乗っており見ただけで美味しそうだ。
それにエッグベネディクトがある!まだ大学生の時に雑誌で見たことがあって、一度食べてみたかったものの一つだった。
「美味しそうでしょ? ここ朝食美味しいんだと有名なんだ」
「そうなんですね、美味しそう」
お互い手を合わせれば、新鮮なサラダを食べてエッグベネディクトにナイフを入れる。
すると、半熟の卵の黄身がトロッと出てきた。自家製のイングリッシュマフィンにサーモンとアボカドが入っていて美味しすぎた。
「どう? 美味しい?」
「はい、とても美味しくて卵もとろとろしていますし、このマフィンも美味しいです」
「よかった。前に百合ちゃんがエッグベネディクトが食べたいって話をしていたのを思い出して頼んだんだ」
「えっ、わざわざ頼んでくださったんですか!?」
「もちろん。初めての朝だし、特別な時間にしたかったんだ」
覚えてくれていたことも驚きだが、わざわざ頼んでくれていたなんて思わなかった。
「ありがとうございます、郁斗さん」