【完結】国宝級イケメンの華道家は、最愛妻への情愛が抑えられない。



 朝食を食べ終えた私たちは、ゆっくり過ごしてチェックアウトをした。チェックアウトをして、ホテルの正面玄関に月森家の運転手さんが待っていてくださっていてその車に乗り込む。

 ホテルを出ると一時間ほど走り、有名な高級住宅街に到着する。
 ここは、月森家と千曲家の真ん中に位置する場所でお互いに通勤しやすい場所。



「到着いたしました」



 運転手はそう言うと、ドアを開けて降りるように促す。先に郁斗さんが降りて私が降りると挨拶だけして運転手は帰って行った。

私たちは、新居の門を開けて敷地内へ入った。この新居は、四十二坪ある二階建ての一軒家だ。

 縁談が成立してすぐに新居の話し合いが始まり、ちょうどいい敷地を見つけてきた郁斗さんは即決して親交があるという一級建築士の方に依頼して一週間前に完成したばかり。

 玄関は和風家屋らしい木製の引き違い格子戸で外壁の塗り壁は落ち着いたベージュで和モダンな造りとなっている。東に位置する玄関からの景色は格子越しに柔らかな光が入って綺麗だし玄関に入ればL字型の玄関ホールで広々としている。

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