【完結】国宝級イケメンの華道家は、最愛妻への情愛が抑えられない。



 それからみっちり稽古をして終わって皆を見送ると、今日の仕事は終わる。
 いつもなら直帰はしないけど、兄にも早く帰れと言って貰えたので退勤ボタンを押して外に出れば一台車が停まっているのが見えた。



「百合ちゃん」

「あ、郁斗さん……どうして?」

「今日は早く終わったんだ。百合ちゃんを驚かせたくて蒼央に聞いた」


 あ、だからさっき早く帰れみたいな顔していたのね。


「……迷惑だったかな?」

「いえ! そんなことないです。来てくださるとは思わなくて……とても嬉しいです」


 外で話をしていたからか、周りが騒がしくなるのを感じて私は助手席に座った。
 車に乗ると、もらったクッキー缶と花絞りのお団子の話をすれば家に帰ったらおやつにしようということになった。

 家に帰り、クッキー缶を開けるとそこには想像以上に可愛くて綺麗なものだった。




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