【完結】国宝級イケメンの華道家は、最愛妻への情愛が抑えられない。



  ***


 それから一週間後の日曜日。

 私は、朝から月森家の専属だというヘアメイクさんとスタイリストさんがきていた。


「奥様、本日はこちらの簪でよろしいでしょうか?」

「えぇ。お願いするわ」


 今日は、結婚して初めて月森本家に挨拶に行く日だ。本当なら家元である郁斗さんと私は本家に住まないといけない立場なのだが、サクラさん……郁斗さんのお祖母様が引っ越すのは大変だということと新婚さんだし今は二人仲良くねとお義母様に言われてしまったので本家ではなく新居での生活をしているわけだ。
 だから、落ち着いたであろう一週間後の今日挨拶となった。

 私は郁斗さんが選んでくださった着物に手を通した。


< 82 / 192 >

この作品をシェア

pagetop