【完結】国宝級イケメンの華道家は、最愛妻への情愛が抑えられない。



「いえ、お祝いの品もくださって嬉しかったです」

「良かった。たってないで座って。兄さんもこっちに座ってよ」

「ありがとう、百合ちゃんも座ろうか」


 綾斗さんと郁斗さんに促されて皆が座る場所に一緒に座れば、アキさんがお茶と和菓子を出してくださった。


「ありがとうございます、アキさん」

「……いえ。ごゆっくり」


 和菓子はお祖母様が好きなお店のどら焼きだ。冷蔵庫に入っていたのか少し冷たい。


「生どら焼きって言うんですって。お店の新発売らしくてね、思わず買っちゃったのよ」

「どら焼き好きなので嬉しいです」

「ふふ、召し上がれ」


 どら焼きを手に取り、半分にちぎって一口サイズに切り食べる。ふわふわの生地に、甘すぎない粒あん、それに口に入れたらすぐに溶けちゃうくらいの生クリームが絶妙で……美味しい。



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