【完結】国宝級イケメンの華道家は、最愛妻への情愛が抑えられない。
「美味しいです、生どら焼きははじめて食べましたけどとても美味しいです」
「よかった。郁斗も綾斗も買ってもそんなに喜んではくれないのよ。だから嬉しいわ」
「そう、なんですか。またお伺いする時はどら焼き買ってきますね」
美味しいどら焼きに美味しいお茶を飲み、とても充実した時間だ。だけど、挨拶のことを思い出すと緊張してくるのがわかる。
「……緊張してる?」
「あ、はい。少し……それに受け入れてもらえるか」
「大丈夫よ、貴女は立派な日本舞踊家で華道の心得以上のものもある。私が保証するわ。だから堂々としていればいいのよ」
サクラお祖母様はそう言って手を握り微笑んでくださった。
「だから心配ないわ」
「ありがとうございます……皆さんに認めて頂けるように頑張ります。あと、みなさんにお話しがあって」
私は姿勢を正して、息を吐き、皆の顔を見た。