【完結】国宝級イケメンの華道家は、最愛妻への情愛が抑えられない。
「私のもどうぞ。普通のお弁当ですけど、よかったら」
「いいの? じゃあ、このとり天を貰おうかな」
お弁当のおかずを交換したりして二人で食べる。食べ終われば、午後の部が始まるまで談笑をした。
「じゃあ、百合ちゃん。頑張ってね」
「ありがとうございます」
午後の部が始まるアナウンスが放送されると郁斗さんはホールの方へと帰って行った。
午後の部は午前の初心者の方たちなどの発表とは違い、名取以上の雅名がある人の発表になる。名取とは大学でいえば大学院生や助手のようなイメージで師範は大学教授や准教授みたいなイメージになる。一番最後は家元である父で、その前に次期家元である兄、その前が私だ。