【完結】国宝級イケメンの華道家は、最愛妻への情愛が抑えられない。




「まだ、出汁とか入れてない?」

「はい。まだ調味料も入れてないです」

「わかった。まず、野菜このまま煮ると柔らかくなるまでに時間がかかるから電子レンジである程度熱通しておいたほうがいいよ。大体は、二分か多くて三分かな。あとで煮込から、じゃがいもは煮崩れしない程度で竹串が少し入る方がいいかな」


 慣れた手つきで、電子レンジと同時進行でまだ加熱していなかった牛肉をさっきの鍋でサッと炒めると違うお皿に移して鍋にはお酒とだし汁を入れて火が通った野菜たちを鍋に入れる。



「慣れてるんですね、料理」

「一人暮らしも長かったし、ツアー中は外食じゃなくて小さなキッチンがついた部屋で作ったりしていたから。何度か作れば出来るようになるし、料理は好きなんだ」

「そうなんですね。私は、ずっと母に任せきりで何もしてこなかったから全然できなくて。レシピはノートに書いてくれましたけど……初心者には難しかったです」

「レシピが難しいなら、これからは俺がいるときと時間が揃ったら一緒に作ろうか。見て覚えた方がきっとわかりやすいし作れるよ」


 確かにそれはそうかもしれない。文字よりも見た方がどんな感じかわかるし、それに郁斗さんとの時間が増える。

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