お茶と妖狐と憩いの場
***
気がつくと、いつもの寝床が目に入った。いつの間に眠ってしまっていたのだろう。
「おや、目覚めたかい? あぁ、良かった…安心したよ」
先程私を助けてくれた彼は、隣でずっと介抱してくれていたらしい。ほっとため息をつくと、私に微笑んだ。
「あなたは…」
「……さっきは挨拶出来なくてごめんなさいね。アタシは…深守よ」
尻尾を揺らしながらも、凛々しい眉毛を少しだけ下げた。なんだか悲しげに見えるその表情に、私は申し訳なくなった。
「…アタシはね、ここら辺で神様っていうのをやってんだ」
「神、様…」
「…あら? 驚かないのね」
深守さんはきょとんとした顔で見つめる。
「…あ、えっと……、妖が当たり前にいる世界ですし…、神様が存在しないのもおかしな話かなと……思いまして…。…あの、それより…、助けてくれたお礼を…させて下さい。絶対にご恩を忘れません」
私は起き上がると、深守さんに向かって深く頭を下げた。
「ちょ、ちょいとお辞めなさいよ! アタシはそういうの全く気にしないから。さぁさ、顔をお上げ」
「で、ですが……このような事………」
「いいのよ。お願いだから」
深守さんは私の頬に手を伸ばそうとして、触れるか触れないかの距離まで詰める。だがその手は下がり、代わりに困った様に笑った。
気がつくと、いつもの寝床が目に入った。いつの間に眠ってしまっていたのだろう。
「おや、目覚めたかい? あぁ、良かった…安心したよ」
先程私を助けてくれた彼は、隣でずっと介抱してくれていたらしい。ほっとため息をつくと、私に微笑んだ。
「あなたは…」
「……さっきは挨拶出来なくてごめんなさいね。アタシは…深守よ」
尻尾を揺らしながらも、凛々しい眉毛を少しだけ下げた。なんだか悲しげに見えるその表情に、私は申し訳なくなった。
「…アタシはね、ここら辺で神様っていうのをやってんだ」
「神、様…」
「…あら? 驚かないのね」
深守さんはきょとんとした顔で見つめる。
「…あ、えっと……、妖が当たり前にいる世界ですし…、神様が存在しないのもおかしな話かなと……思いまして…。…あの、それより…、助けてくれたお礼を…させて下さい。絶対にご恩を忘れません」
私は起き上がると、深守さんに向かって深く頭を下げた。
「ちょ、ちょいとお辞めなさいよ! アタシはそういうの全く気にしないから。さぁさ、顔をお上げ」
「で、ですが……このような事………」
「いいのよ。お願いだから」
深守さんは私の頬に手を伸ばそうとして、触れるか触れないかの距離まで詰める。だがその手は下がり、代わりに困った様に笑った。