雨降って、恋に落ちる
気づいたら、放課後にその目を見ることが日課みたいになってきて、
だれか誘いに来たら、テンション下がるオレがいて。
今までそんなこと一度もなかったのに。
そしたら放課後だけじゃなくて、その目が、あの表情が、いつでも頭をチラつくようになってきて、
なんかさ、
いいなーって。
ただただ真っ直ぐに走り続けるあいつが、羨ましいなんて、そんなことまで思うようになった日には、オレ、相当精神が病んでるなって自嘲した。
そんなある日、
いつものように、いつもの席に座って外を見ると・・・・・・いつもと違った。
彼女が見ている先は確かにあいつだけど、
目が、違った。
光がない。
今にも泣き出しそうだった。
何かあった?
理由はすぐにはわからなかったけど、数日後その理由を知ることになる。
オレが羨ましいと思ったあいつとたまたま校内ですれ違った時、あいつの隣には、誰がどう見てもそうとしか思えない"彼女"と思われる女の子がいた。
ああ、これか。
あの子の失恋を知ったのは、朝のニュースで梅雨入りすると言っていた前日だった。