雨降って、恋に落ちる

「まだ好きなの?そいつのこと」

「え・・・?えーっと、んー・・・どうなんだろう、ね。はは」

「・・・・・・」


どうしよう。


また沈黙になってしまった。


「えっと、ぜんくん?は、いないの?好きな人」

「・・・・・・いる、かもね」

「え!いるの?どんな子?」

「・・・・・・目が綺麗、かな」

「へー!目が綺麗な子かぁ。確かにぜんくんがよく一緒にいる子たちは綺麗な子が多いよね」


放課後たまに見かける、ぜんくんの腕に絡みついている女の子たちはスタイルが良くて綺麗な子たちばっかりだった。


すると、急に立ち止まった彼。


思わず私も足を止めて、傘の中、彼を見上げた。


必然的に視線が絡む。


相変わらず何も読めない瞳だけど、なんだか真剣な気がしてドクンと胸が脈打った。

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