遠回りな恋〜私の恋心を弄ぶ悪い男〜
「……何だ、だれもいないじゃん。玲央、俺らを驚かせるなよ」
廊下から、教室にいた複数の男子たちの声が聞こえる。
「遅くなったし、もう帰ろうぜ」
「じゃあな、また明日」
男子生徒たちはゾロゾロと教室を後にする。
足音が聞こえなくなり、私は立ち上がる。隣のクラスから一歩、外に出るとそこには、みんなと下校したと思っていた玲央がいた。
私は咄嗟に俯いて視線を逸らせたけれど、玲央の視線が私に向いていることくらい、痛いほどわかる。
「何で隠れたんだ?」
すれ違う瞬間、玲央が私に問いかける。
「……別に、関係ない」
本当なら、この時に「庇ってくれてありがとう」のひと言でも言えば、私たちの関係は変わったのかもしれない。でもそれも、後の祭りだ。
「ふーん……そう」
私は玲央に、失礼な態度を取ってしまったことを後悔した。
その翌日から玲央は、これ見よがしに私の親友である瑠璃に接近し、二人は付き合うことになったのだった。
私はそんな二人の姿を見るのが辛くて、表面上では瑠璃が玲央とデートするのを邪魔するわけにはいかないと、少しずつ距離を置いていった。
元々ひとりぼっちには慣れている。恋愛での揉めごとに巻き込まれたくはない。最初のころは瑠璃も気を利かせ、三人で一緒に行動することもあったけれど、どう見ても私がお邪魔虫なのは明白だった。
学年が上がり、瑠璃とクラスが変わると、付き合う友達もガラリと変わる。二年の時に仲良くなった子は、私と同じく勉強の良くできるおとなしいタイプの子だった。
そんな彼女も、気がつけばいつの間にか玲央と付き合うようになっていた。
瑠璃はというと、いつの間にか玲央と別れて新しい彼氏ができている。
そしてまた学年が上がり、三年になった。
廊下から、教室にいた複数の男子たちの声が聞こえる。
「遅くなったし、もう帰ろうぜ」
「じゃあな、また明日」
男子生徒たちはゾロゾロと教室を後にする。
足音が聞こえなくなり、私は立ち上がる。隣のクラスから一歩、外に出るとそこには、みんなと下校したと思っていた玲央がいた。
私は咄嗟に俯いて視線を逸らせたけれど、玲央の視線が私に向いていることくらい、痛いほどわかる。
「何で隠れたんだ?」
すれ違う瞬間、玲央が私に問いかける。
「……別に、関係ない」
本当なら、この時に「庇ってくれてありがとう」のひと言でも言えば、私たちの関係は変わったのかもしれない。でもそれも、後の祭りだ。
「ふーん……そう」
私は玲央に、失礼な態度を取ってしまったことを後悔した。
その翌日から玲央は、これ見よがしに私の親友である瑠璃に接近し、二人は付き合うことになったのだった。
私はそんな二人の姿を見るのが辛くて、表面上では瑠璃が玲央とデートするのを邪魔するわけにはいかないと、少しずつ距離を置いていった。
元々ひとりぼっちには慣れている。恋愛での揉めごとに巻き込まれたくはない。最初のころは瑠璃も気を利かせ、三人で一緒に行動することもあったけれど、どう見ても私がお邪魔虫なのは明白だった。
学年が上がり、瑠璃とクラスが変わると、付き合う友達もガラリと変わる。二年の時に仲良くなった子は、私と同じく勉強の良くできるおとなしいタイプの子だった。
そんな彼女も、気がつけばいつの間にか玲央と付き合うようになっていた。
瑠璃はというと、いつの間にか玲央と別れて新しい彼氏ができている。
そしてまた学年が上がり、三年になった。