遠回りな恋〜私の恋心を弄ぶ悪い男〜
第一章
ブブブっと、スマホが震え、着信を知らせる。
私は机の上に置いたスマホの画面を覗き込み、発信者の名前を確認する。
画面に表示されているのは、『一ノ瀬玲央』。よりによって、今、一番見たくない人間の名前がそこに表示されている。
時刻は二十一時を少し回ったところだ。
私は気付かなかった振りをして、その着信を無視することにした。
そのまま放置していると、机の上で震えるバイブの音がうるさいので、私は机の隅に置いていたタオルに手を伸ばし、その上にスマホを置く。これで地味に響く振動や音も軽減されるだろう。
今日は残業で、いつもより帰宅時間が遅くなった。疲れ果てて夕飯を作る気力なんてない。私はアパート近くにあるコンビニで、お弁当と缶チューハイを買い、ようやく遅い夕飯にあり着こうとしたタイミングだ。
缶チューハイのプルタブを開封すると、中から圧縮されていた炭酸が、アルコールと共に霧状の液体となり勢いよく飛び出してくる。私はそれに口を付ける。
一分ほどスマホが震えていたけれど、私は完全無視を決め込んで、お弁当を食べていた。私が通話ボタンを押さなければ、そのうち玲央も諦めるだろう。
テレビの大画面で、サブスク配信のアニメを見ながらお弁当を食べ、合間で喉を潤すため缶チューハイに口をつける。
リアルタイムで観ることのできないものを、こうして時間を気にせず視聴できるのはありがたい。
お弁当を食べ終え、空いた容器を軽く水洗いしてゴミ箱へ捨てようと立ち上がったその時、インターホンが鳴った。
こんな時間にだれだろう。
私はインターホンに備え付けられているモニターを覗き込む。
私は机の上に置いたスマホの画面を覗き込み、発信者の名前を確認する。
画面に表示されているのは、『一ノ瀬玲央』。よりによって、今、一番見たくない人間の名前がそこに表示されている。
時刻は二十一時を少し回ったところだ。
私は気付かなかった振りをして、その着信を無視することにした。
そのまま放置していると、机の上で震えるバイブの音がうるさいので、私は机の隅に置いていたタオルに手を伸ばし、その上にスマホを置く。これで地味に響く振動や音も軽減されるだろう。
今日は残業で、いつもより帰宅時間が遅くなった。疲れ果てて夕飯を作る気力なんてない。私はアパート近くにあるコンビニで、お弁当と缶チューハイを買い、ようやく遅い夕飯にあり着こうとしたタイミングだ。
缶チューハイのプルタブを開封すると、中から圧縮されていた炭酸が、アルコールと共に霧状の液体となり勢いよく飛び出してくる。私はそれに口を付ける。
一分ほどスマホが震えていたけれど、私は完全無視を決め込んで、お弁当を食べていた。私が通話ボタンを押さなければ、そのうち玲央も諦めるだろう。
テレビの大画面で、サブスク配信のアニメを見ながらお弁当を食べ、合間で喉を潤すため缶チューハイに口をつける。
リアルタイムで観ることのできないものを、こうして時間を気にせず視聴できるのはありがたい。
お弁当を食べ終え、空いた容器を軽く水洗いしてゴミ箱へ捨てようと立ち上がったその時、インターホンが鳴った。
こんな時間にだれだろう。
私はインターホンに備え付けられているモニターを覗き込む。