遠回りな恋〜私の恋心を弄ぶ悪い男〜
私は理解が追いつかない。
一体これはどういうこと……? 新手の嫌がらせにしては、瑠璃まで巻き込んで、かなり手の込んだ悪質なものだ。
私の様子を窺いながら、瑠璃が再び口を開く。
「ねえ、もしかしてなんだけど……、玲央から何も聞いてない?」
「『何も』って、何? 私、昔からあの人に嫌われているのに。社会人になるまでまともに会話すらしたことないし、今は同じ会社だから業務上会話はあるけど、それ以外で会話することなんてないよ。それよりこれ何? 新手の嫌がらせ?」
私の返答を聞いて、瑠璃は頭を抱えている。
二日酔いがひどいのだろうか。私は薬を探そうと立ち上がった。棚の引き出しの中に、購入している市販薬をまとめて入れているので、その中から胃薬と頭痛薬を取り出した。期限もまだ大丈夫だったので、それを瑠璃の前にそっと置くと、瑠璃は「そうじゃない」と、首を横に振る。
「あのバカ……、真冬の気持ち、全く確かめてないじゃないか……!」
瑠璃はそう言うと、スマホの通話ボタンを押した。相手はもちろん玲央だ。
瑠璃の剣幕に押しやられ、私は口を開く隙も与えられないでいる。瑠璃は黙って玲央が通話ボタンを押すのを待っている。
どうやら回線が繋がったようだ。玲央が口を開く隙を与えることなく、瑠璃はマシンガンのように言葉を捲し立てた。
「もしもし、玲央! ちょっとあんた、今すぐ真冬の家に来なさい、用事があってもこっちを最優先にしなさい。そうじゃないならもう私はあんたと縁を切るわよ! そこからなら三十分もかからないはずでしょう? 三十分以内に到着しなかったら、その時はもう真冬とも縁を切らせるからね! わかった?」
瑠璃は一方的にそう言って通話を強制終了すると、スマホの電源を落とした。
瑠璃は呆気に取られている私に向かって、口を開く。
一体これはどういうこと……? 新手の嫌がらせにしては、瑠璃まで巻き込んで、かなり手の込んだ悪質なものだ。
私の様子を窺いながら、瑠璃が再び口を開く。
「ねえ、もしかしてなんだけど……、玲央から何も聞いてない?」
「『何も』って、何? 私、昔からあの人に嫌われているのに。社会人になるまでまともに会話すらしたことないし、今は同じ会社だから業務上会話はあるけど、それ以外で会話することなんてないよ。それよりこれ何? 新手の嫌がらせ?」
私の返答を聞いて、瑠璃は頭を抱えている。
二日酔いがひどいのだろうか。私は薬を探そうと立ち上がった。棚の引き出しの中に、購入している市販薬をまとめて入れているので、その中から胃薬と頭痛薬を取り出した。期限もまだ大丈夫だったので、それを瑠璃の前にそっと置くと、瑠璃は「そうじゃない」と、首を横に振る。
「あのバカ……、真冬の気持ち、全く確かめてないじゃないか……!」
瑠璃はそう言うと、スマホの通話ボタンを押した。相手はもちろん玲央だ。
瑠璃の剣幕に押しやられ、私は口を開く隙も与えられないでいる。瑠璃は黙って玲央が通話ボタンを押すのを待っている。
どうやら回線が繋がったようだ。玲央が口を開く隙を与えることなく、瑠璃はマシンガンのように言葉を捲し立てた。
「もしもし、玲央! ちょっとあんた、今すぐ真冬の家に来なさい、用事があってもこっちを最優先にしなさい。そうじゃないならもう私はあんたと縁を切るわよ! そこからなら三十分もかからないはずでしょう? 三十分以内に到着しなかったら、その時はもう真冬とも縁を切らせるからね! わかった?」
瑠璃は一方的にそう言って通話を強制終了すると、スマホの電源を落とした。
瑠璃は呆気に取られている私に向かって、口を開く。