遠回りな恋〜私の恋心を弄ぶ悪い男〜
防犯のことを考えて、玄関を部屋からチェックできる部屋を借りたのだけど、正解だった。
画面に映り込んでいるのは、一ノ瀬玲央、その人だ。
玲央の初めての訪問に、私は動揺した。
何しにここへ来たのだろう。
居留守を決め込もうと思ったけれど、部屋の電気が外に漏れているだろうから、それは無理だ。
私は諦めて重い足どりで玄関へと向かう。
玄関のドアガードを元の位置に戻し、鍵を開ける。若い女性の一人暮らしは、何はさて置き防犯が一番大事だ。
ドアを開けると、仕事帰りの少しだけくたびれた顔をする玲央が顔を出す。
「遅せーよ、真冬。っつか、スマホ見ろよ」
挨拶もそこそこに、玲央は私の家へと上がり込む。
「私もさっき帰ってきたところだから……」
私は玄関の扉を閉め、鍵を掛けると玲央の後ろを追う。
こうやって、連絡もなく唐突に玲央がうちへやってくる。もしかしたらさっきの連絡は、うちに来る前のお伺いを立てていたのかも知れない。
「あ? そうなのか……。じゃあ悪いことしたな」
「ご飯、作る気にもなれなくて、コンビニでお弁当買って食べ終わったところだよ」
机の上を指差して、現状を見せる。
ちょうど食事を済ませ、テーブルの上にゴミが散乱している。
いつもはだれが来てもいいように身の回りも部屋の片付けもきちんとしているけれど、玲央への気持ちを諦める決意をした私には、このようなアポなし訪問もどうでもいいと思うようになり、自分のペースで生活をすることにした。
だからこのように突然家に来られても、取り繕おうとも思わない。
うちにご飯を食べに来たのだと思うけれど、そんなの私の知ったことではない。
あわよくば、私の手料理を当てにしていたのだろう。何だか玲央は、ばつの悪そうな表情を浮かべている。
画面に映り込んでいるのは、一ノ瀬玲央、その人だ。
玲央の初めての訪問に、私は動揺した。
何しにここへ来たのだろう。
居留守を決め込もうと思ったけれど、部屋の電気が外に漏れているだろうから、それは無理だ。
私は諦めて重い足どりで玄関へと向かう。
玄関のドアガードを元の位置に戻し、鍵を開ける。若い女性の一人暮らしは、何はさて置き防犯が一番大事だ。
ドアを開けると、仕事帰りの少しだけくたびれた顔をする玲央が顔を出す。
「遅せーよ、真冬。っつか、スマホ見ろよ」
挨拶もそこそこに、玲央は私の家へと上がり込む。
「私もさっき帰ってきたところだから……」
私は玄関の扉を閉め、鍵を掛けると玲央の後ろを追う。
こうやって、連絡もなく唐突に玲央がうちへやってくる。もしかしたらさっきの連絡は、うちに来る前のお伺いを立てていたのかも知れない。
「あ? そうなのか……。じゃあ悪いことしたな」
「ご飯、作る気にもなれなくて、コンビニでお弁当買って食べ終わったところだよ」
机の上を指差して、現状を見せる。
ちょうど食事を済ませ、テーブルの上にゴミが散乱している。
いつもはだれが来てもいいように身の回りも部屋の片付けもきちんとしているけれど、玲央への気持ちを諦める決意をした私には、このようなアポなし訪問もどうでもいいと思うようになり、自分のペースで生活をすることにした。
だからこのように突然家に来られても、取り繕おうとも思わない。
うちにご飯を食べに来たのだと思うけれど、そんなの私の知ったことではない。
あわよくば、私の手料理を当てにしていたのだろう。何だか玲央は、ばつの悪そうな表情を浮かべている。