遠回りな恋〜私の恋心を弄ぶ悪い男〜
 しばらく番組を流していたけれど、結局私は再生を止めるとテレビの電源を落とした。
 私は立ち上がると、洗面所へと逆戻りする。

 タオルを洗濯機の中へ放り込み、ドライヤーを定位置に戻し、歯磨きをする。
 きっと今日は、何をやっても無駄だろう。
 私は、今日したかったことを諦めた。

 テーブルの上でタオルに包んだままのスマホをそのままに、私は部屋の電気を消すと寝室へと向かった。

 翌朝、私の寝起きは最悪だった。
 前日なかなか寝付けなかったせいで、頭が重い。

 ベッドから起き上がると、洗面所で顔を洗う。全然すっきりしないし、タオルで顔の水分をふき取った私の顔は、目の下に隈が出ており最悪だ。

 よっぽど今日は会社を休もうかと思ったけれど、今日は学生時代からの友人清水(しみず)瑠璃(るり)と会う約束をしているので、そうもいかない。
 洗面所で支度を済ませると、キッチンで朝食の準備をする。

 昨日買い物に行く余裕がなかったので、オートミールのリゾットを作る。いつもならお弁当の準備も一緒にするところだけど、今日はそんな元気がない。通勤途中でコンビニにでも立ち寄ろう。
 オートミールの朝食をとった後、私は昨日、テーブルの上へ置きっぱなしにしておいたスマホに手を伸ばした。

 スマホのロック画面には、玲央からの着信とメッセージ受信の通知が表示されている。
 既読を付けるのも面倒くさくなり、私は玲央からのメッセージ欄をスルーして、他の受信を確認する。ほとんどが企業からの広告ばかりなので、それを一つずつ削除していく。

 今日はお弁当作りをさぼっているので、少しばかり時間に余裕がある。
 ネットニュースの記事に目を通していると、あっという間に時間が過ぎていき、出勤時間が近付いてくる。私は歯磨きを済ませ、最終的な身支度を整えると戸締りを確認し、家を出た。

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