甘い夜更け。朝を憎んだ。
一章

甘い蜜

「興味なんか全然無いって冷めた目で抱かれるの、たまんない」

よく分かんない女、と言っても学園の女子生徒なんだけど。

さして関係が深いわけでもなく、
この女の交友関係すら俺は知らないし、興味が無い。

そもそもあるわけないだろ。
お前らが俺を求めるから応えてるだけ。
いちいち拒否んのも面倒だし。

生徒会長として、そのほうが都合がいいからそうしてるだけだ。

もう謙遜したってどうしようもないくらい、
俺は自分の容姿について、理解している。

中学くらいまではどんなに容姿やスタイルを褒められようと、
周りとおんなじように「そんなことないよ」って曖昧な笑顔を張り付けていた。

でも毎日鏡を見ていれば、
他人と過ごす時間が長くなればなるだけ、
自分の容姿は周りとは違うんだ、って嫌でも認識せざるを得ない。

女好きのする顔。体。
言ってしまえばそれだけのことなんだけど。
< 1 / 185 >

この作品をシェア

pagetop