甘い夜更け。朝を憎んだ。

正義と執着

十二月。

期末試験も終わって、試験勉強期間として停止されていた部活動が再開された。

十二月に入った頃から雪が散らつく日が増えた。

放課後。

生徒会室の窓が外と室内の温度差できれいに曇っている。
ツーっと指でなぞってみたら、一筋だけクリアになった窓に、涙みたいな雫が流れ落ちた。

記者の自殺以降、佐藤の姿を見てもそこに在る夜乃の影はうすくなってきていた。

わざと黒染めしていた髪の毛は、染めている部分が徐々に抜けてきていて、ブラウンのほうが目立つようになってきた。

自分はいつも夜乃の光の影に隠れて孤独に生きてきたと吐露した佐藤の本来の姿は、「今」の佐藤だと思う。
孤独やジメジメした物など感じない。

快活でコロコロと笑い、スキンシップも積極的だった。

今度こそ夜乃とばりの帰りを待つ人間など、両親の他には消滅してしまったような気がした。
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