甘い夜更け。朝を憎んだ。
「それが何…」
「蜜くんが待ち伏せとかされて嫌がらせされてたことも知ってる。事件になった生徒会の女の子とのことも…。あの記者が死んだこと、パパの会社でも話題になってたんだって。相当煙たがられてたから…。悲しんでる人なんて一人もいなかったって。でもね、蜜くん…私は悲しいよ」
「なんで来栖が」
「蜜くんが殺したんじゃないかって…疑ってるからだよ」
「は、マジでなに言ってんの」
来栖がブレザーのポケットからスマホを取り出した。
何度かタップやスクロールを繰り返してから、
俺に見えるようにスマホのスクリーンを向けた。
撮影者からは少し遠目の被写体。
斜め四十五度くらいの角度で背中を向けている俺。
来栖が二本の指を広げながらスクリーンをなぞる。
アップにされた写真には女子高生と中年男性だと分かる二人の姿。
この現場が何を表しているのか把握している俺だからそれが佐藤と、自殺した記者だと分かる。
でも「俺だから」だ。
他人が見せられたって判別は困難だろう。
「蜜くんが待ち伏せとかされて嫌がらせされてたことも知ってる。事件になった生徒会の女の子とのことも…。あの記者が死んだこと、パパの会社でも話題になってたんだって。相当煙たがられてたから…。悲しんでる人なんて一人もいなかったって。でもね、蜜くん…私は悲しいよ」
「なんで来栖が」
「蜜くんが殺したんじゃないかって…疑ってるからだよ」
「は、マジでなに言ってんの」
来栖がブレザーのポケットからスマホを取り出した。
何度かタップやスクロールを繰り返してから、
俺に見えるようにスマホのスクリーンを向けた。
撮影者からは少し遠目の被写体。
斜め四十五度くらいの角度で背中を向けている俺。
来栖が二本の指を広げながらスクリーンをなぞる。
アップにされた写真には女子高生と中年男性だと分かる二人の姿。
この現場が何を表しているのか把握している俺だからそれが佐藤と、自殺した記者だと分かる。
でも「俺だから」だ。
他人が見せられたって判別は困難だろう。