甘い夜更け。朝を憎んだ。
両親は母が弁護士で、父は商社で役職…に就いていたけれど、
俺が中二の冬。

腹にデカい病気が棲みついて、あっけなく逝ってしまった。

父が勤めていた商社は祖父の物で、
母の収入だけで十分生活はできたけれど祖父はずっと俺達親子を見守り続けてくれているし、もう幼少期から祖父が向ける俺への大きな期待にも気づいていた。

父も母も真面目できちんとした人達だったから、俺もそのレールから逸れないように「ちゃんと」してきた。

努力したことはそれなりに身についた。
勉学も芸術も身体的能力も、そして容姿も含めてそれなりの努力はすれどさほど苦労しなかったのは、
両親が与えてくれた遺伝子に感謝すらするべきなのかもしれない。
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