甘い夜更け。朝を憎んだ。
「朝之先輩」
「佐藤?」
佐藤アマイがおずおずと上目遣いで俺を見上げている。
手にはずっと水性マジックペンを握り締めたままだった。
夜乃よりも10センチは身長が低そうだった。
佐藤が頑張って見上げてくれるか、俺が座りでもしないと目線は合わない。
けれど佐藤は人と視線を合わせることがあまり得意ではなさそうだったし、
俺もそれには気づいていたから、お互いにそういう行為は取らなかった。
「あの…さっきはありがとうございましたっ…!」
「ん?なんだっけ?」
「とばりのこと…守るって言ってくれて」
「守る…とか言ったかな?」
「はっきりとは…言ってないかもしれないですけど。そんな感じのことを言ってくださってうれしかったです」
「うそうそ。言ったよ。″ 一度関わった生徒のことは守る″って。それはね、きみも同じだからね?」
「え…?」
「佐藤さんも、もう俺が守らなきゃいけない対象だから。安心して」
「っ…は、はいっ!ありがとうございます!」
顔を真っ赤にしてガバッと頭を下げた佐藤のつむじがよく見えた。
「ところでさ、佐藤さんって、」
「はい?」
「字がきれいなんだね。すごく。それに、」
「とばりの字に似てるって思いましたか?」
「…あぁ。そうかも」
確かに。どこかで見たことがあるって言おうとしていたけれど。
そうか。
佐藤と夜乃の字はよく似ている。
「佐藤?」
佐藤アマイがおずおずと上目遣いで俺を見上げている。
手にはずっと水性マジックペンを握り締めたままだった。
夜乃よりも10センチは身長が低そうだった。
佐藤が頑張って見上げてくれるか、俺が座りでもしないと目線は合わない。
けれど佐藤は人と視線を合わせることがあまり得意ではなさそうだったし、
俺もそれには気づいていたから、お互いにそういう行為は取らなかった。
「あの…さっきはありがとうございましたっ…!」
「ん?なんだっけ?」
「とばりのこと…守るって言ってくれて」
「守る…とか言ったかな?」
「はっきりとは…言ってないかもしれないですけど。そんな感じのことを言ってくださってうれしかったです」
「うそうそ。言ったよ。″ 一度関わった生徒のことは守る″って。それはね、きみも同じだからね?」
「え…?」
「佐藤さんも、もう俺が守らなきゃいけない対象だから。安心して」
「っ…は、はいっ!ありがとうございます!」
顔を真っ赤にしてガバッと頭を下げた佐藤のつむじがよく見えた。
「ところでさ、佐藤さんって、」
「はい?」
「字がきれいなんだね。すごく。それに、」
「とばりの字に似てるって思いましたか?」
「…あぁ。そうかも」
確かに。どこかで見たことがあるって言おうとしていたけれど。
そうか。
佐藤と夜乃の字はよく似ている。