甘い夜更け。朝を憎んだ。
放課後。
いつも通り生徒会室に集まったけれどもう一学期は特にしなければいけない作業は残っていなかった。

それぞれが生徒会室の掃除や仕舞っている資料の整理、
持ち込んでいる私物の片付けなんかをして過ごしていた。

学校だし、生徒会っていう大きな役割を担っているんだから私物を持ち込んだりするのは咎めるべきなんだろうけど俺にはそんなつもりはなかった。
会議や全員で何かに取り組んでいる時は控えるべきだけど個人で進める作業もある。

そんな時に好きな音楽を聴きたいとか、息抜きしたい時とか、自分が一番リラックスできて作業の効率が上がるのなら自由にさせてあげたいと思う。
というか、俺にはそんなことを咎める資格はない。
一番ヤバイことやってんのは俺だし。

「朝、何やってたの」

会長席で一人、作業をしていた俺の後ろの窓枠をハンディモップでなぞりながら、副会長が言った。

俺の手元を覗き込む副会長に「終業式の挨拶考えてんの」って告げた。

一週間後には終業式だ。
生徒会長の挨拶、だとか余計な時間が設けられているから、みんながせっせと片付けや掃除をしてくれている中、挨拶文を考えていた。
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