甘い夜更け。朝を憎んだ。
「大丈夫?」

キスが深くなるにつれて腰の力が抜けていくような従姉妹を支えながら、そっと腰を落とさせた。

地べただったけど俺達は気にならなかった。

「痛い?」

「平気」

声に甘さが乗っている。

おんなじだって思った。

俺を求める時の声色。
口調。
惚けたような瞳。

今まで俺がクズをやってきた女達全員の顔。
個々人でまったく違う容姿をしているのに、
この瞬間に全員を重ね合わせても違和感ないかもしれない。

それらが他人同士を重ね合わせた物ではなく、
初めから一人の人間だったと錯覚しそうな恐怖が背筋を撫でる。

従姉妹も同じだった。

俺に求めるもの。
自分の中の「女」としての欲求。
プライドの確立。

拒めない俺。
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