甘い夜更け。朝を憎んだ。
「やんないよ」

「なんでー?大好きないとこが帰ってくるって言ったら譲ってくれたんだよ。こんなこと、今みたいな時じゃなきゃできないんだし、いーじゃん」

「やだ」

「合法だよ?」

「やだ」

「めっちゃイイかも」

「やーだよ。めちゃめちゃお腹壊しちゃったらやだもん」

「あはは!かーわいっ…ね、蜜。もっと全部、一緒に壊れちゃおうよ」

年下のいとこらしく弱い表情を見せてみたら、やっぱり「お姉さん」として優越感なのか、おちょくってくる余裕な素振りが気に入らなくて従姉妹の手首をギュッと掴んだ。

背中越しの壁に押し付けるようにして、覆い被さった。
挑発したのは自分のくせに、ちょっと怯んだ従姉妹の耳元で囁いた。

「あのさ、ナメてんの?」

「え…」

「そんなもんなくったってきみ一人くらい、俺が壊せるよ?」
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