甘い夜更け。朝を憎んだ。

親友の影

佐藤アマイからの呼び出しを先延ばしにする理由もなかったから翌日には会うことになった。
場所は俺のほうから生徒会室を指定した。

午後一時。
夏休み中であっても学園には部活動生や職務をこなす教員が沢山いて、いつもの風景となんら変わりはなかった。

職員室に顔を出すとクラス担任も居たから話が早かった。

夜乃とばりのことで、親友である二年生の佐藤アマイから相談を受けることになっている。
話題が話題なだけに人目が気になるから生徒会室を使わせて欲しい。

俺の言葉に担任は二つ返事で許可してくれた。
理解が早く、楽天家の担任は好きな大人だった。

生徒会室の鍵を受け取って職員室を出た。
廊下で待っていた佐藤がペコっと小さく頭を下げた。
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