甘い夜更け。朝を憎んだ。
昼休みもそろそろ終わるから、結局名前すら教えてくれなかった女子生徒に乱された制服を手直しして、ネクタイを結び直した。

午後の授業は若干ダルいけれど、生徒会長がサボるわけにはいかない。

なんて考えるたびに一人で自重気味に笑みがこぼれてしまう。

そんな些細な体裁なんか気にしなくったって、
俺はもうしっかりとクズだ。

俺へのヘイトで学園が崩壊しないのが不思議なくらいには。

昼休みの終わりを告げる予鈴が鳴った。
五時間目が始まるまであと五分。

一応、ちょっとくらいは周りへの配慮として窓もカーテンも閉め切っていた。

俺は別に誰かに覗かれようが聞かれようが気にはしないし、
女だって「いいよ、バレちゃっても」なんて瞳を爛々とさせていた。

バレちゃってもいい、なんて嘘だ。
バレたかったんだ。
知って欲しかったんだ。
俺に抱かれてるってことを。

だから俺はしっかりと窓もカーテンも閉め切った。
自分の願い通りに動いてくれない俺に、女はもっと興奮するから。

それこそが抱えてる期待だって俺だってそれくらいは気づいてあげられる。

「内緒のほうが好きでしょ?」

たった一言。
それだけであの子は落ちた。
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