甘い夜更け。朝を憎んだ。
「全部憶測だけどね」

「でも私は思ったよ。夜乃とばりが消えた。蜜くんの特別が消えた。だから夜乃とばりに一番近いあの子を傷つけるのかなって。なんとなく、雰囲気似てるし」

「すっげぇ解釈。そんなことしたって生産性なさすぎない?」

「だからこそ思ったんだよ。蜜くんの″渇き″が怖いんだって。でもそうさせちゃったのは私達なんだよね?蜜くんをただの人間でいさせてあげなかった。蜜くんの中にばっかり特別を求めて、自分じゃない何かになれる気がして蜜くんから搾取してた。蜜くんをダメにしたのは私達なんだよね」

「あのさ。怖がるのはどーでもいいし勝手にすればいい。でもね、いちいち詮索されたり考察されたりすんの、ちょっと鬱陶しいよ?来栖さんは一体俺のなんなの?」

「そんな風に…他の子には絶対に言わないでしょ?バーベキューの時だってそう。挑発しちゃったのは私だと思うし、それでも勢いだったんだとしてもぶつけてくれてうれしかった」
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