マフィアの弾丸
「………〜ふぅ、」
眉を上げてかるく嘆息し、そうして方向転換した足先はエレベーターから、
久しぶりの食堂へと向かうべく歩をゆったり、進めていく。
・・・・・ほんとうに久しぶりに。
カーフェイさんたちと昼食を共にする以前までは、地下の食堂で食事をするのが常で。
ホテルの従業員のシェフから厨房のスタッフ、ホテルマン、私たちの部署のようなリネンをとり扱う従業員まで。
このホテル内でも、さまざまな役職に就くひとたちの昼食の場である地下の食堂は、
こんなふうに人集りで入り乱れているので、私が久しぶりに食堂に赴いたことなど
他者にとっては大した問題でもないのだろうけれども、
(………ぅ、わぁ。それにしてもいつも、
ここは賑わって人多いな…)
お弁当を持ってきているとは言え、食券やら自動販売機内に陳列されている手頃な菓子パンの種類豊富さやら、と。
美味しいか否かはさて置き、やっぱり、職場で『買う昼食』という事象には憧れを抱いてしまう無い物ねだりなひとの性。