マフィアの弾丸





 ・・・・『贅沢』と、ひとは言うかもしれない。



 雨や暑さや、さまざまな外敵から身を守ってくれる屋根を、たとえ祖父母の持ち家だとしても身を置けるというのは、とても。

 そう、とてもありがたい事。



 昔ほど(いが)み合うこともなくなり、お互いに譲歩はしつつ、


 適度な距離感で接しはじめると、自分もひとも、相応に変わっていく。




 だから、不満とか、息苦しいとか。

 とくべつな事は、なにもなくて。




 ・・・・・ただ。

 ただ、ほんとうの意味で休息を得られるわけではない、・・・というだけのこと。


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