マフィアの弾丸





 これ以上の違背(いはい)は、軍特殊部隊の、たかだか一構成員といえども、命取り。


 末端であろうが、無かろうが、
 …間違いなく"この職務(コレ)"だけは、『知らなかった』では到底、済まされない。




 ・・・・・一市民の少女の、護衛と監視。



 なぜ、表社会・裏社会の両者界隈で名の知れわたったこの方々が、かの少女にそこまで入れ込むのであろうか。



 彼らにはことさら理解ができなかった。

 そこまで護るほどに価値のある少女なのか。




 ────…あの、地獄のような監獄で。


 軍事兵として知力や労役(ろうえき)を搾りとられるだけ搾られ

 過酷な労働環境のなか、己と身内のために鍛練惜しまず。



 ようやく責務を成し遂げた彼らが軍の特殊部隊を卒業する頃には、すでに、
 つぎの配属先が制定されていた。




 それが、
 ・・・・・とある少女の護衛だったのだが。


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