マフィアの弾丸





 それは、・・・・・、

 私がこのひとたちの優しさを知っているからなんだろうけども・・・・・・、




 「あの。…………煙草、吸わないの」


 「────あ?
 吸ったら困るのお前だろ」


 「いや、私は困るけどココ私の家じゃないし」

 「じゃあてめぇの家にしとけメンドくせェから」


 「…………ぇちょ、
 ちょっと言ってる意味がわからない」




 アーウェイさんの雑な切り返しに、納得しあぐねる私の訝り様などかまわず、
 ソファーから立ち上がった彼は。

 がっしりと隆起した、その白皙(はくせき)色の肩にかけてあるバスタオルで、
 濡れた自身の髪をわしゃわしゃと無造作に拭きなおしつつ、



 「あー…そこのメシ、食っといて構わねぇからとりあえず今日はココにいろ。アイツもまだ仕事終わんねーみてぇだし、……まぁ夕方前にはおれも戻って来れっから」なんて。



 テーブル上にある、アフタヌーンティーセットを
 顎で差しながら、ざっくばらんな。



 そんなことを一方的に言い放ってサッサと、
 2Fにあがろうとしたので


 私は慌てて「………え?、…い、いやちょちょちょッ!?待っ、?!」と
 もつれ合わせる脚をなんとか、伸ばしてソファーから下りようとしたのだが、



 しかし。


 ────時、すでに遅し。


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