マフィアの弾丸





 「…ってか『メシ』じゃないしがっつり、スイーツばっかじゃん飯物ないじゃん」



 ぽそり。そんなことを平坦な口ぶりで不愉快げに呟くものの、内心は
 見知らぬ場所に対する緊張と、高揚感と。


 しかし『目は口ほどに物を言う』もので、眼前の硝子(ガラス)テーブル上に置かれてあるアフタヌーンティーセットの

 香ばしい、匂いに釣られて手を出してしまいそうな誘惑とで。



 見事に、こころは
 二層の感情に支配された状態である。




 「……っえ。待ってコレ、冷蔵庫とか、に入れとかなくていいの?さすがに全部、食べきれないでしょ」



 一応、暖房はついてるみたいだし。

 置き放して食べれなくなっちゃったら勿体ないのに、



 「…どっ、えっ?……どーすんのよ」


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