マフィアの弾丸





 ・・・ほんとうに勘弁してほしい。



 何が『乳繰り合い』だどの口がそんな、(いわ)く付きを含んだ出まかせをほざくか。

 まったく、いい加減、私で遊ぶのはヤメてほしいもんだ。




 …なんて悪態を、
 いつものごとくに突っ返してしまうと
 また、面倒なので胸中のみでぼやくのに押しとどめて置くことにする。



 私の平手攻撃をくらって顔面を覆い、なんとか悶絶している隙に
 アーウェイさんの膝上から、そそくさと立ち退いた私は、

 「…あの…、すみません。勝手にココで、休ませてもらっちゃって、」と。


 カーフェイさんに向き直ると頭を下げながら、
 声を搾るような言葉で
 謝恩を述べる。



 いくらアーウェイさんに連れられたからと言っても、昨晩から眠りこけて
 気付いたら、よその人の別荘地にいました。なんて。


 そんな言い訳は大人になると通用しないのもわかっているし、

 自己管理もロクにできずに、男の家に転がり込んでしまった、とか。



 母に知られたら、なんっ・・・・・・、




 ・・・・・・・・・・


 ・・・・・・・、

 ・・・・




 「あぁっ?!!」


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