マフィアの弾丸





 ────のだが、




 「お前、実はおれのことキライだろ」

 「え、『実は』じゃなくてめちゃくちゃキライですけど」

 「あ゛ぁ?キライキライも好きのうちっつぅーダロが」

 「言いません。なんなんですか(やぶ)から棒に」



 ワっケわかんない。急になにを聞いてくんのこのひとは。

 しかも天井仰ぎながら無鉄砲に、秩序もなく軽々と。




 「意地悪な人はきらいです」

 「あぁ奇遇だな。おれも意固地な女は好かねぇんでね」

 「その『意固地にさせてる』根元つくってるって自覚してくれません?」

 「つくづく可愛げねーヤツだなお前」


 「え、えじゃあ聞きますけど。アーウェイさんだって私のこと相当、きらいじゃないですか」

 「意固地にならせるほどには好きだけど」




 ・・・・・え?




 「………はぁ?」



 「────つったらそーやって心底、眉(ひそ)めて小馬鹿にしたツラで見下すのヤメロ冗談に決まってんだろバーカ」

 「こ、……ぃつ、……」




 本気で殴りたい!!!!




 「…ふっ。仲いいなお前ら」

 「「仲良くない(ねぇー)!!!」」


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