クズで噂のヤンキー君のことだけは絶対に忘れたくない
「あっ、あの…っ!!」
教室に入ろうとしたその時、後ろから声を掛けられて、振り向くと1人の女子生徒が立っていた。
「あ…」
見知った顔だった。
昨日遊んでやろうかなーって思って誘ってあげたのに悪びれもせず断ってきた女…。
確か、西野……結乃って奴だ。
緊張しているのかスカートを握って、リスが迷い込んだかのように、気弱そうに突っ立っている。
そういえば結乃と初めて会ったあの日は、派手にやられた日だったな。
タイマン張ったはいいが、調子悪くて負けちまった日だ。
いつの間にか、道端で気失ってて気が付いたら、結乃がいたんだ。
ーーちょっと当てるね…っ
殴られた頬に、ご親切に保冷剤を当てられた記憶が頭にフラッシュバックする。
正直あの時。
ちょっと可愛いな、と思ったのは事実。
だからお礼がてら、キープにしてやってもいいかなーって思ったのに、俺の誘いに喜ばしい顔ひとつしなかったので癪に触った。
ハグまでしてやった、ってのに。
あの時の不快感は1晩経ってもよく覚えていた。
ーーううん! 今日のところはとりあえず大丈夫! 雨降りそうだから、私もう行くね!
この俺が、”雨” に劣るなんて。
あー、思い出すだけで不快だ。
女の足元に視線を落とすと、学年別で分けられているスリッパの色が俺と同じ青だった。
同じ学校である事はあの路地裏で会った時、制服を見て気付いていたがまさか学年まで同じだったなんて。
「なに?」
向こうから声を掛けてきた癖に一向に話し出さないから、聞いてやるとおそるおそるといった感じで口を開いた。
教室に入ろうとしたその時、後ろから声を掛けられて、振り向くと1人の女子生徒が立っていた。
「あ…」
見知った顔だった。
昨日遊んでやろうかなーって思って誘ってあげたのに悪びれもせず断ってきた女…。
確か、西野……結乃って奴だ。
緊張しているのかスカートを握って、リスが迷い込んだかのように、気弱そうに突っ立っている。
そういえば結乃と初めて会ったあの日は、派手にやられた日だったな。
タイマン張ったはいいが、調子悪くて負けちまった日だ。
いつの間にか、道端で気失ってて気が付いたら、結乃がいたんだ。
ーーちょっと当てるね…っ
殴られた頬に、ご親切に保冷剤を当てられた記憶が頭にフラッシュバックする。
正直あの時。
ちょっと可愛いな、と思ったのは事実。
だからお礼がてら、キープにしてやってもいいかなーって思ったのに、俺の誘いに喜ばしい顔ひとつしなかったので癪に触った。
ハグまでしてやった、ってのに。
あの時の不快感は1晩経ってもよく覚えていた。
ーーううん! 今日のところはとりあえず大丈夫! 雨降りそうだから、私もう行くね!
この俺が、”雨” に劣るなんて。
あー、思い出すだけで不快だ。
女の足元に視線を落とすと、学年別で分けられているスリッパの色が俺と同じ青だった。
同じ学校である事はあの路地裏で会った時、制服を見て気付いていたがまさか学年まで同じだったなんて。
「なに?」
向こうから声を掛けてきた癖に一向に話し出さないから、聞いてやるとおそるおそるといった感じで口を開いた。