クズで噂のヤンキー君のことだけは絶対に忘れたくない
目の前で倒れた人影が、今日1日俺の頭ん中を支配していた張本人であることに気付いた。
「おい…っ!!大丈夫か!?」
らしくもなく、俺は焦っていて。
咄嗟に地面に跪いて、結乃の頬に触れていた。
考えるより先に身体が導かれるように動いていた。
「いてて…、うん…っ、大丈夫だよ」
大丈夫と言いつつ、結乃はうめき声を上げて顔を歪ませた。
柿花の拳をどうやら頬に受けてしまったみたいだ。赤く腫れている。
地面に倒れた時についたであろう擦り傷もところどころ見受けられた。
「柿花。このタイマン俺の負けでいい」
「は?」
不服そうな柿花を横目に俺は結乃の手を取って、首の後ろに回した。
「保健室行こう」
「へっ…? ひゃっ……」
戸惑っているような目をしている結乃を抱き上げて、その場を後にした。
柿花が不満げに後ろで何か言っていたが、俺の耳には入ってこなかった。
「みっ…、宮瀬く…、お姫様だっこ…、恥ずかし…よ。私は大丈夫だから…」
腕の中にすっぽり収まっている結乃は、殴られてない方の頬も赤くしながら、上目遣いで俺を見上げた。
なんだよ、照れてんのかよ…
「女の顔に傷残ったら、大変だろ…」
スピードを早め、土足で校舎に入っていく。
「……っ、ありが…とう」
「おい…っ!!大丈夫か!?」
らしくもなく、俺は焦っていて。
咄嗟に地面に跪いて、結乃の頬に触れていた。
考えるより先に身体が導かれるように動いていた。
「いてて…、うん…っ、大丈夫だよ」
大丈夫と言いつつ、結乃はうめき声を上げて顔を歪ませた。
柿花の拳をどうやら頬に受けてしまったみたいだ。赤く腫れている。
地面に倒れた時についたであろう擦り傷もところどころ見受けられた。
「柿花。このタイマン俺の負けでいい」
「は?」
不服そうな柿花を横目に俺は結乃の手を取って、首の後ろに回した。
「保健室行こう」
「へっ…? ひゃっ……」
戸惑っているような目をしている結乃を抱き上げて、その場を後にした。
柿花が不満げに後ろで何か言っていたが、俺の耳には入ってこなかった。
「みっ…、宮瀬く…、お姫様だっこ…、恥ずかし…よ。私は大丈夫だから…」
腕の中にすっぽり収まっている結乃は、殴られてない方の頬も赤くしながら、上目遣いで俺を見上げた。
なんだよ、照れてんのかよ…
「女の顔に傷残ったら、大変だろ…」
スピードを早め、土足で校舎に入っていく。
「……っ、ありが…とう」