クズで噂のヤンキー君のことだけは絶対に忘れたくない
「これでいいですか?」
「うん!」
細けぇ奴だな。
「てか、お前も土足だからな」
「え…っ? あっ!!」
ベッドに乗った自らの足にゆっくりと視線を移すと、女は口をあんぐり開けた。
「共犯な」
「うっ…」
いそいそと靴を脱ぎながらも、悔しそうな顔をして下唇を噛むその姿はなんだか面白かった。
「ほら、いいからちょっと顔見せてみろ」
ベッドに無防備に仰向けにね転ぶ結乃の頬に冷蔵庫から取り出した氷嚢を当てる。
あれ…、そういえば前にもこんなこと────…
この状況に僅かに既視感を覚えたところで
「この前と逆だねっ」
そう言って、ニコッと微笑まれた。
「あの日も、喧嘩してたの?」
「…まぁな」
「もう喧嘩はだめだよ!」
「お前に関係ねぇだろ」
「ない…けど……、でもだめだよ!」
「なんだよそれ…」
”だめ“の一点張り。
だんだん相手すんのもめんどくさくなってきて、黙っていると。
「クズ…」
「あ?」
「宮瀬くんのことクズって、友達が言ってた…でも……」
ためらいがちな覇気のない声はそこで1度止まった。
変な噂が出回ってるもんだな。
まぁ、事実だけど。
呆れて息を吐き出した時。
結乃は、清々しいほど元気よく言い放った。
「うん!」
細けぇ奴だな。
「てか、お前も土足だからな」
「え…っ? あっ!!」
ベッドに乗った自らの足にゆっくりと視線を移すと、女は口をあんぐり開けた。
「共犯な」
「うっ…」
いそいそと靴を脱ぎながらも、悔しそうな顔をして下唇を噛むその姿はなんだか面白かった。
「ほら、いいからちょっと顔見せてみろ」
ベッドに無防備に仰向けにね転ぶ結乃の頬に冷蔵庫から取り出した氷嚢を当てる。
あれ…、そういえば前にもこんなこと────…
この状況に僅かに既視感を覚えたところで
「この前と逆だねっ」
そう言って、ニコッと微笑まれた。
「あの日も、喧嘩してたの?」
「…まぁな」
「もう喧嘩はだめだよ!」
「お前に関係ねぇだろ」
「ない…けど……、でもだめだよ!」
「なんだよそれ…」
”だめ“の一点張り。
だんだん相手すんのもめんどくさくなってきて、黙っていると。
「クズ…」
「あ?」
「宮瀬くんのことクズって、友達が言ってた…でも……」
ためらいがちな覇気のない声はそこで1度止まった。
変な噂が出回ってるもんだな。
まぁ、事実だけど。
呆れて息を吐き出した時。
結乃は、清々しいほど元気よく言い放った。