クズで噂のヤンキー君のことだけは絶対に忘れたくない
「よしっ、もういいわよ」
「ありがとうございます」
救急箱を閉じた先生は俺を一瞥すると、また「喧嘩なんてもうしちゃダメよ?」と注意した。
「はいはい」
適当に頷くが、俺を見つめる先生も結乃も完全に疑心感で溢れているあろう眼差しを向けていた。
元はと言えば、柿花がタイマン吹っ掛けてきたのが悪いってのに。
結乃に拳を喰らわせたのも、そもそも柿花だ。
ほんとあいつと関わるとろくなことねぇよ…
「土足で入ったことやっぱり先生にちゃんと打ち明けた方が良かったかなぁ」
保健室を後にすると、結乃が廊下でそんなしょうもないことを呟いた。
両手に抱えた自分の靴をなやましげに見つめている。
どうやら心の中で葛藤しているらしい。
律儀というか、なんというか。
つくづくめんどくさい奴だな。
「やっぱり私自首してくる! 宮瀬くんも行こう! 頑張って謝ったら許してくれるかも!」
そう言って俺の手を引き、来た道をクルッと引き返そうとした結乃。
「ぷっ…、あはは」
思わず盛大に吹き出してしまった。
「…?」
足を止め、キョトン顔で俺を見つめているその姿も妙に俺のツボを刺激していく。
「あはは…っ」
「えっ、なんで笑ってるの?」
「ありがとうございます」
救急箱を閉じた先生は俺を一瞥すると、また「喧嘩なんてもうしちゃダメよ?」と注意した。
「はいはい」
適当に頷くが、俺を見つめる先生も結乃も完全に疑心感で溢れているあろう眼差しを向けていた。
元はと言えば、柿花がタイマン吹っ掛けてきたのが悪いってのに。
結乃に拳を喰らわせたのも、そもそも柿花だ。
ほんとあいつと関わるとろくなことねぇよ…
「土足で入ったことやっぱり先生にちゃんと打ち明けた方が良かったかなぁ」
保健室を後にすると、結乃が廊下でそんなしょうもないことを呟いた。
両手に抱えた自分の靴をなやましげに見つめている。
どうやら心の中で葛藤しているらしい。
律儀というか、なんというか。
つくづくめんどくさい奴だな。
「やっぱり私自首してくる! 宮瀬くんも行こう! 頑張って謝ったら許してくれるかも!」
そう言って俺の手を引き、来た道をクルッと引き返そうとした結乃。
「ぷっ…、あはは」
思わず盛大に吹き出してしまった。
「…?」
足を止め、キョトン顔で俺を見つめているその姿も妙に俺のツボを刺激していく。
「あはは…っ」
「えっ、なんで笑ってるの?」