彼女が恋をしたのは。
運命
その日は突然やってきた。
ふと、
「俺ちょっと、スーパー行ってくるよ。」
「もうすぐクリスマスかぁ。」
と俺が言うと、
「うん。お祝いしようね。」
「寒いから、気を付けてね〜。」
と葵が嬉しそうにお腹をさすった。
そして、カレンダーを見上げた。
朝、窓ガラスに息が白く吹きかかる。
マフラーして暖かくして、出掛ける。
ズボンに両手を入れて、、
また例の橋に、、、
その女の子はまた居たのだ。
橋に両手を置きかけた彼女は、
「あっ、危ない。」
と、とっさに走りよって、
後ろから抱きしめてしまった。
「キャッ。やめて!なにするの!?」
とその橋の女の子は、俺が抱きついたのを
必死に振り払おうとする。
「また、自殺するんだろ??見てられないよ!」
とそれを羽交い締めにすると、
「わっ、私、自殺しようとしてないですよ!」
「えっ、自殺じゃないの??いや絶対違う!!」
「自殺はするもんじゃない。」
と優しく諭した。
帰り道に彼女と少し話した。
彼女の名前は、愛ちゃん。
29歳。
誕生日は、クリスマス・イヴ。
彼氏はいない。
家族も、、、。
「ごめん、変なこと聞いちゃって。」
「えっ。良いんです。家族のことは、、。」
彼氏のこともだけど、、。
「私の、こういう性格でしょ。彼氏に誕生日
今まで祝ってもらったこと無いんです。」
「えっ、彼氏いないのも意外だけど誕生日ねぇ。」
葵とは正反対で愛ちゃんは、クールビューティー
という感じで、白黒はっきりしている性格だ。
俺は好きだ。そして綺麗だ。
「じゃあ、もし愛ちゃんが良ければ、誕生日。
お祝いしてもいいかな。一緒に。」
「えっ。えーっと。」
と愛ちゃんは、動揺していた。酷く困った
表情をしていた。
私の番号は、、、
080-15××-××××
と連絡先交換した。
俺の誕生日、1月5日なんだよなぁ。何だが運命
感じちゃうなぁ。俺。