彼女が恋をしたのは。
別れ
一日だけ入院して、葵は退院した。
俺も仕事を休んで、付きっきりだった。
何度も何度も。
「葵。」
「葵。大丈夫か。」
と、、、。
どうして、人はあまり裏切らないのに、
神様は人生を裏切るのかと、悔しく思った。
憎らしいと思った。何度も何度も。
俺は、会社に行っても。
「おい。佐藤。どうしたんだよ。
浮かない顔して。」
「あっ、ああ。ぼーっとしてた。ごめん。」
「お前らしくないぞ、最近元気ないじゃない
かよ。」
「ああっ。」
「今日、仕事終わりに景気づけに飲み行こうぜ。
いつもの、とんきた。で。」
「俺は、遠慮しておくよ。妻も待ってるし、、。」
家に帰って、お風呂に入って、
夕飯を食べ終えると、ダブルベッドで就寝した。
2人同時に。
夜中目が覚めると、
「駿しゅんさん。」
と小声で葵が言った。
「あっ、起きてたの葵。」
びっくりした俺は、
「どうしたの?」
と俺が言うとつかさず、
「私達、終わりにしましょう。」
「だって、毎日駿しゅんさんの悲しい顔、
見たくないから。」
と言って、天井を向いてた葵が俺に
背中を向けて、反対の方向へ横たわった。
すすり泣いていた。
俺は、葵を傷つけまいと、ぐっと涙をこらえた。