彼女が恋をしたのは。

映画が終わると、お土産コーナーを見るや、

彼女が小走りになって、

「駿しゅんさ〜ん。このお花のキーホルダー。」

「ほら、劇中で彼と彼女が、付けてた

キーホルダー。彼が青で彼女がピンクの。」

「おっ。可愛いなそのキーホルダー。」

と俺が慌てて言うと、

「駿しゅんさん青で私も青♡」

「お揃いのキーホルダー。」

と葵がニコッとそう笑うと。

「あっ。やっぱり青が好きなんだ!さっき、

ハンカチ!ほら涙拭いてた!青だったでしょ?」

「俺が、プレゼントするよ!手土産に。」

と、葵ちゃんは口元に手を宛てがいながら、

くすくす、笑った。可愛く笑った。

「お会計は、840円です。」

「あっ。私の誕生日。840円。ここみて!」

「私、8月4日生まれなんです。」

と、葵はそう言うと、満面の笑みで

ニコニコした。

「おっ。もうすぐだな。お祝いしような!」

と、競って言うと。葵は、

「もうすぐって、あと2か月も先ですよ。」

うふふふ。と嬉しそうに葵が微笑んだ。

「約束ですよ!8月4日(水)お祝いしてくれの。」

「あっ、私水族館行きたい。

青いクラゲが大好きで。」

と、満面の笑みになった。
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