御曹司に海外へ連れ去られ、求愛されました。



──その後。


私と長谷部さんは日本に戻り、正式にお付き合いすることになった。長谷部さんの伝でネイルサロンを紹介してもらい、そこでまた、ネイリストとして働いている。休みの日になると、長谷部さんとメグちゃんが住む家宅へと泊まりに来ていた。長谷部さんはこれでもかと言うほど、私を溺愛してくれていて、メグちゃんと一緒に付いて回る様子は、呆れるくらい微笑ましかった。


「茜ちゃんが良ければ……」


長谷部さんが、私の手に何かを握らせる。それは、鍵だった。


「合鍵。同棲も、いいかなと思って」


私を見つめる長谷部さんは、熱い眼差しをしていて──。


私は彼の腕に飛び込んだ。抱きしめ返された手は、ずっと離さないでいてくれたのだった──。




end.



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