大嫌い同士の大恋愛
プロローグ
――せんせー!うーちゃんが、こうちゃんにつきとばされて、ころんだよ!
うっすらと、今でも思い出すのは、五歳の時の記憶。
保育園で一緒だった、男の子。
いつだって、私の髪を引っ張ったり、突き飛ばしたり、遊んでいたおもちゃを取り上げたり、描いていた絵をグチャグチャにしたり――とにかく嫌がらせばかり。
されている私はといえば、小さい妹のやるコトと同じに見えて、淡々とボサボサになった髪を直し、突き飛ばされても、すぐに立ち上がり、別のおもちゃを持って来たり、紙のシワを手で伸ばしたり――まさに、暖簾に腕押し状態で。
けれど、そんなある日。
――うーちゃん!なんで、ほかのヤツとあそんでるんだよ!
そう言われるとともに、ブランコから下りた途端、突き飛ばされ――
倒れたところに、たまたまあった大きな車のおもちゃに激突。
見事に、私の腕の骨は、ポッキリと折れてしまったのだった。
その時から、私は、幼心に思ったのだ。
――男なんて、大っ嫌いだ、と。
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