大嫌い同士の大恋愛
休憩室は、やはり、というか、コラボ企画の話題で持ち切りだった。
私が聖と部屋に入った途端、一瞬で空気が変わる。
そして、チラチラと視線を向けられ、少々居心地が悪い。
「あ、羽津紀、あっち空いてるよー!」
けれど、聖は、平然と休憩室を進み、窓際の空席へと私の手を引いていく。
「ひ、聖」
「早く食べようよー。アタシ、お腹ペコペコだよー!」
「――アンタ、また、朝抜いたの?」
彼女の言葉に、私は眉を寄せる。
あれだけ固形物を口にしろと言っているのに、この娘は。
「抜いてないよ。――食欲が無かっただけだもん」
「え、大丈夫なの?」
「大丈夫、大丈夫。だから、今日は、コンビニで買い込んだんだよー」
そう言うと、聖は、持っていたマイバッグから、コンビニで売っているおにぎりを三個、デザートなのか、シュークリーム、チルドのカフェラテを取り出した。
「……アンタにしては多いわね」
「うーん、やけ食い?」
「え?」
どういう意味、と、尋ねたかったが、聖は、すぐにおにぎりのパックを開き、口に頬張る。
――まるで、理由を言うのを避けるように。
私は、珍しい彼女の態度に不自然さを感じながらも、自分のお弁当を開けた。
午後からは、再び片桐さんと一緒に、コラボ企画にからむスケジュールを作成。
先方からのメールを確認しつつ、参加者の予定を組まなければならない。
けれど、私は、他の班の企画書に目を通さなければならないので、ほとんど彼に任せてしまった。
今日提出されたものは、レトルト班のリニューアル企画書。
一番の売れ筋、”毎日ごはん”のシリーズのパッケージ変更と、原材料の高騰にからむ、内容量の微調整。
私は、三班のエリアに行き、班長と少し気にかかった箇所の確認。
その間を縫って、先日承認された新商品の企画書の追加が上がって来たので、そちらにも目を通しながら、ため息をつく。
――やっぱり、こんな感じだと、コラボ企画に参加するのは、難しいんじゃないだろうか。
自分でも、そんなに器用でないのは、わかりきっている。
あっという間にパンクするだろう。
私は、席から立ち上がると、課長のところに向かった。
私が聖と部屋に入った途端、一瞬で空気が変わる。
そして、チラチラと視線を向けられ、少々居心地が悪い。
「あ、羽津紀、あっち空いてるよー!」
けれど、聖は、平然と休憩室を進み、窓際の空席へと私の手を引いていく。
「ひ、聖」
「早く食べようよー。アタシ、お腹ペコペコだよー!」
「――アンタ、また、朝抜いたの?」
彼女の言葉に、私は眉を寄せる。
あれだけ固形物を口にしろと言っているのに、この娘は。
「抜いてないよ。――食欲が無かっただけだもん」
「え、大丈夫なの?」
「大丈夫、大丈夫。だから、今日は、コンビニで買い込んだんだよー」
そう言うと、聖は、持っていたマイバッグから、コンビニで売っているおにぎりを三個、デザートなのか、シュークリーム、チルドのカフェラテを取り出した。
「……アンタにしては多いわね」
「うーん、やけ食い?」
「え?」
どういう意味、と、尋ねたかったが、聖は、すぐにおにぎりのパックを開き、口に頬張る。
――まるで、理由を言うのを避けるように。
私は、珍しい彼女の態度に不自然さを感じながらも、自分のお弁当を開けた。
午後からは、再び片桐さんと一緒に、コラボ企画にからむスケジュールを作成。
先方からのメールを確認しつつ、参加者の予定を組まなければならない。
けれど、私は、他の班の企画書に目を通さなければならないので、ほとんど彼に任せてしまった。
今日提出されたものは、レトルト班のリニューアル企画書。
一番の売れ筋、”毎日ごはん”のシリーズのパッケージ変更と、原材料の高騰にからむ、内容量の微調整。
私は、三班のエリアに行き、班長と少し気にかかった箇所の確認。
その間を縫って、先日承認された新商品の企画書の追加が上がって来たので、そちらにも目を通しながら、ため息をつく。
――やっぱり、こんな感じだと、コラボ企画に参加するのは、難しいんじゃないだろうか。
自分でも、そんなに器用でないのは、わかりきっている。
あっという間にパンクするだろう。
私は、席から立ち上がると、課長のところに向かった。