大嫌い同士の大恋愛
「で、何か用なの」
「ああ、そうそう。あの人、男、だよね?」
「は?」
何を突然――そう思い、はた、と、気がついた。
――この、社宅という名の会社借り上げマンションは、今現在、全十五部屋、女性しか住んでいないのだ。
それは、ここの他にも市内に二つ、同じようなマンションがあり、もう一つは男性のみ、もう一つは、家族用なのだが――。
「……部屋、間違えてない?」
「だよね。そう思ってさー、社宅管理の係のコに連絡してみたんだけど、間違えてないみたいなの」
「……どういうコト?」
「わかんない。でも、あの人、何か、女嫌いみたいだし――大丈夫かな、って」
床に座り、テーブルに頬杖をついた聖は、飲み物を用意していた私を見上げる。
それだけで、モデルのような見目の彼女に、少しだけ見とれてしまう。
「……まあ、月曜日になったら、もう一回確認した方が良いのかしらね」
「うん。……でもさ、コレはコレで、美味しいかなって」
「は?」
手渡したお茶を飲みながら、聖は、ハンターのような鋭い表情を見せて続けた。
「女しかいないマンションで、男一人。居心地の悪さにつけこんで、モノにできないかなー」
「……アンタって、ホント、清々しいくらい、男好きよね……」
「ありがと」
「別に、褒めてないわよ」
私達は、お互いに笑い合い、グラスを空ける。
「――まあ、出て行くなら、願ったりだけど」
そう言った私の願いは――叶いはしなかったが。
「ああ、そうそう。あの人、男、だよね?」
「は?」
何を突然――そう思い、はた、と、気がついた。
――この、社宅という名の会社借り上げマンションは、今現在、全十五部屋、女性しか住んでいないのだ。
それは、ここの他にも市内に二つ、同じようなマンションがあり、もう一つは男性のみ、もう一つは、家族用なのだが――。
「……部屋、間違えてない?」
「だよね。そう思ってさー、社宅管理の係のコに連絡してみたんだけど、間違えてないみたいなの」
「……どういうコト?」
「わかんない。でも、あの人、何か、女嫌いみたいだし――大丈夫かな、って」
床に座り、テーブルに頬杖をついた聖は、飲み物を用意していた私を見上げる。
それだけで、モデルのような見目の彼女に、少しだけ見とれてしまう。
「……まあ、月曜日になったら、もう一回確認した方が良いのかしらね」
「うん。……でもさ、コレはコレで、美味しいかなって」
「は?」
手渡したお茶を飲みながら、聖は、ハンターのような鋭い表情を見せて続けた。
「女しかいないマンションで、男一人。居心地の悪さにつけこんで、モノにできないかなー」
「……アンタって、ホント、清々しいくらい、男好きよね……」
「ありがと」
「別に、褒めてないわよ」
私達は、お互いに笑い合い、グラスを空ける。
「――まあ、出て行くなら、願ったりだけど」
そう言った私の願いは――叶いはしなかったが。