雨をとじこめて

月曜日になって。

薄曇りの空。

降水確率をなんとなく確認したけれど、30%程。



(今日も妹さんの当番だな)



登校する時間に裕悟と一緒になったら、
「駅まで行く?」
と、珍しく誘ってくれたので、私達は並んで町を歩く。



同じ高校に通っているけれど、こんなふうに一緒に登校するなんて小学生以来。

隣で歩く裕悟に、
「あんた、背が伸びたよね」
と、話しかける。



「姉ちゃんが小っさいんだよ」

「そんなことないし」

「……今日も図書館行くの?」

「うん。読みかけの本もあるし」

「いや、借りろよ」

「いいの。図書館で読むことが好きなの」



ふぅーん、と言いつつ、裕悟に興味はなさそう。



「男の子って、どんな本が好き?」
って聞いてみると、
「え? なんで?」
と、質問返しされた。



「オススメの本を教える約束してて」

「あー、その雨の日に会える奴に?」



頷くと、裕悟は少し考えてからこう言った。
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