雨をとじこめて
私は、本は買うより借りる派。
たくさんの読みたい本を、全部買うお金もないし。
買えたとしても、その数々の本を置くスペースが自室にはなくて。
図書館というのは、そんな私の悩みを全て解消してくれる、ありがたい存在であると気づいた中学生の頃からは、放課後になると図書館に来るようになっていた。
いつも通り、お気に入りの作家の小説を持って、図書館の二階にある読書室へ移動する。
読書室は広い。
入り口すぐにキッズスペースが設けてあって、二人掛けのソファーが八脚ほど、間隔をあけて円形に置いてある。
その真ん中には、ハート型や動物の顔がプリントされている大きなクッションがあって。
キッズスペースには虹色の大きなラグが敷いてある。
(いいなぁ)
いつ見ても、キッズスペースは居心地が良さそう。
でも、あそこで本を読んでいる子は、大きくても小学校低学年くらいの子どもで。
高校二年生の私が利用したら迷惑だろうし、ちょっと恥ずかしい。