雨をとじこめて

第三話


図書館の近くにあるカフェに入って、私と空良くんは、窓際のテーブル席に向かい合わせに座った。



「まず、ごめん! 今日、図書館に来れなくて!」



空良くんが頭を下げるのを見て、私は慌てて首を振った。



「ううん。でも、どうしたのかなって思って……」

「宝良が高熱を出して」

「えっ!? 大丈夫なんですか!?」



空良くんは頷いた。



「あいつに昨日、明日はりんごちゃんに会えるかもねって言ったら、はしゃいじゃって。小学生の時とかいなかった? 遠足が楽しみ過ぎてはしゃいで、当日熱出す奴」

「あ……。はい、いたかも」

「保育園から連絡あって迎えに行ったら、真っ赤な顔してて。病院に連れて行ってたんだ。今は家で寝てると思う」

「大丈夫なんですか?」

「妹がそばにいるから。でも何かあったら連絡がくると思う」



「早く良くなるといいですね」と言ったタイミングで、注文していたリンゴジュースとアイスコーヒーが運ばれて来た。
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