雨をとじこめて

「……わかった、ごめんね」
と、空良くんが申し訳なさそうな表情になる。



「来てくれて嬉しかったです。ありがとう」

「ううん。待っていてくれて、こちらこそありがとう。会えて良かった」



傘を差して、私達はそれぞれ家に向かった。







それから数日が過ぎて。

また雨が降らない日々が続いている。



「梅雨なのに……」
と、裕悟の部屋で愚痴る。



「雨乞いしてる?」



机に向かい課題を片付けつつ、裕悟が尋ねてくる。



「……しているよぅ、もう何体も作って並べて吊るしてるんだけどなぁ」

「……それ、ちょっと怖いかも」

「怖くないし!」



裕悟は「あっ」と思い出したように私を振り返って見て、こう言った。



「確か、姉ちゃんって連絡先交換したんじゃなかったっけ?」



私は大きく頷き、
「奇跡が起きたよね」
と、スマートフォンを拝む。



「メッセージでも送れば? 会いたいから図書館に来て、とか何とか……」
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